デジタル遺産管理
KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の岸です。
デジタル遺産に明確な定義はありませんが、スマホやパソコンを通して確認できるデータやインターネットで契約した有料サービス、ネット銀行などのサービスのことを指します。
- デジタル遺産の具体例
- ソーシャルメディアアカウント(Facebook, Twitter, Instagramなど)
- メールアカウント(Gmail, Yahooなど)
- クラウドストレージ(Google Drive, iCloud, Dropboxなど)
- ネット銀行や電子マネー(PayPay, 楽天銀行など)
- 暗号資産(ビットコインなど)
- サブスクリプションサービス(Netflix, Spotifyなど)
- 個人データ(写真、動画、文書など)
- デジタル遺産管理の重要性
- 遺族が適切に対応できるようにする。
- 遺族間のトラブルを防ぐ。
- アカウントの不正使用や個人情報の漏洩を防止する。
- 法的手続きや解約をスムーズに行うため。
- 具体的な管理方法
(1) アカウント情報の整理
- リスト化:所有しているアカウントやサービスを一覧にまとめる。
- ログイン情報の保存:ユーザー名、パスワードを安全な場所(紙媒体やパスワードマネージャー)に記録する。
(2) デジタル遺産に関する遺言書の作成
- 遺産に含めるべきデジタル資産や、それらの処理方法を明記する。
- 法律事務所や公証人の協力を得て正式な形で遺言を作成する。
(3) 信頼できる人を指定
- デジタル遺産管理者を指定し、処理を任せられる人を決める。
- 必要に応じて、エンディングノートに詳細を記載する。
(4) プラットフォームの機能を活用
- 事前設定:多くのプラットフォームには遺族向けの設定がある。
- Facebookの「追悼アカウント管理者」
- Googleの「非アクティブアカウント管理ツール」
- サービス利用規約を確認:死後のアカウント管理方針を理解する。
(5) 暗号資産の管理
- 暗号通貨は秘密鍵が重要。秘密鍵やウォレット情報を安全に管理する。
- 適切な引き継ぎ方法を計画し、信頼できる人に情報を託す。
- 注意点
- 法律や規約の確認:デジタル遺産の扱いは国やサービスによって異なるため、事前に調べる。
- 定期的な更新:アカウントやパスワードの変更に合わせてリストや計画を更新する。
- セキュリティの確保:パスワードや情報が第三者に漏洩しないように厳重に管理する。
- 支援サービスの活用
- デジタル遺産管理を専門とするサービス(例:「デジタル終活」サポート企業や弁護士)を利用する。
- 必要であれば、家族や信頼できる第三者と協力して計画を進める。
デジタル遺産は、情報漏洩やトラブルを防ぎつつ、遺族が負担なく手続きできるように準備することが重要です。