外国人材が、日本で働くことのモチベーションやメリットとは
KOYAMA社会保険労務士法人東京事務所の小山です。
以前のブログでも書きましたが、東京事務所においても、別法人を通じて、特定技能制度による外国人材の採用・支援に携わっております。そのため、私も多くの外国人材とお会いしたり、話をする機会が多いのですが、彼らに共通して言えるのは、日本という国が好きであり、日本で働くことに大きなメリットを実感していることだと感じています。
教育を中心に人材・介護・保育等の事業を展開するヒューマンホールディングスが、最近、日本で就労している、また過去に就労した経験のある外国籍人材を対象に、「日本で働くことに関する実態調査」を実施し、その結果を発表していました。私は、この調査結果を大変興味深く拝見させていただきました。
質問事項は。。。。
Q1.「日本を勤務先として選んだ主な理由」
Q2.「日本での仕事の満足度」
Q3.「日本で働くメリット」
Q4.「日本の労働環境で優れていると感じること」などです。
興味がありましたら、下記のURLより、詳しい結果内容をご確認ください。
https://www.athuman.com/news/2024/21315/
私が特に、興味がひかれたのは、
Q1.「日本を勤務先として選んだ主な理由」と、Q3.「日本で働くメリット」でした。
「日本を勤務先として選んだ主な理由」の結果としては、1位「日本文化やカルチャーに触れたい(20.7%)」が最も多く、次いで「家族やパートナーが日本に住んでいるため(15.5%)」、「治安や生活環境が良い(13.9%)」が続く結果となっています。勤務先として日本を選択するにあたって、日本文化への興味や関心だったり、生活する上で安定さを重視していることがうかがえます。
Q3.「日本で働くメリット」は、圧倒的に、「治安や生活環境が良い」への回答が集まっていました。また、「長期雇用の文化」や「雇用の安定性が高い」など、日本的な雇用慣行や企業文化も支持されているようです。つまり、治安や生活環境の良さ、安定的な雇用など、より「安心感」を求めていることがうかがえるように思えます。
他の設問でも、「自国や他国と比較し、日本の労働環境で優れていると感じる点」では、「福利厚生」、「仕事の安定性」、「社会保障制度」、「安全な労働環境」、「長期雇用の文化」などが上位に挙げられています。
総じてみると、日本の文化への興味や関心、慣行への理解、治安の良さ、雇用の安定性などが、外国人材が、日本で働くうえでのモチベーションや、メリットにつながっているように感じます。
私が出会った外国人材の子は「日本語は日本のアニメで覚えました」と言っていました。日本での在留経験が全くなかった彼でしたが、日本への入国前から、流暢に日本語を話していました。幼い時から、日本のアニメに親しんでいたことで、難解な他国の言語でも、習得に時間を要さなかったことが理解できます。
これはあくまで私見ですが、冒頭で触れた、「日本文化やカルチャーに触れたい」という、日本で働きたい動機の淵源には、ある意味で、幼い時から触れてきた「日本」という国への帰結があるのではないかとも感じ入ります。
ヒューマンホールディングスが発表したこの度の外国人材に係る調査を拝見し、ますます進むであろう外国人材との共創社会の実現へ向けて、想いを新たにした昨今です。