最低賃金について

KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の壽見です。

先日開催された中央最低賃金審議会において、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,118円となります。この場合、全国加重平均の上昇額は63円(昨年度は51円)となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると6.0%(昨年度は5.1%)となります。

あらためて最低賃金とは、労働者が働く際に使用者が必ず支払わなければならない賃金の最低額を、法律(最低賃金法)で定めたものです。これを下回る賃金で労働契約を結んだ場合、その部分は無効となり、最低賃金額と同額の賃金を支払う義務が生じます。原則としてすべての労働者に適用されます。

また、最低賃金を下回る賃金しか支払わなかった場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。とくに月給制の最低賃金は、時給換算した金額が地域別最低賃金を下回らないかを確認する必要があります。月給そのままで判断してしまうと、見かけ上は基準を満たしていても、実際の時間単価で違反になるケースがあります。実際に全国の労働基準監督署が令和7年1~3月に最低賃金の監督指導において、最低賃金支払い義務に関する違反がみつかった事業場割合が1割に上ることが分かっています。

 今年度の最低賃金額を注視しつつ、最低賃金を下回る事のないよう注意する事が必要です。最低賃金額の計算方法について不安がある場合は、KOYAMA社会保険労務士法人までご相談ください。