教育訓練給付制度について

KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の伊東です。

 

教育訓練給付制度とは、労働者の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了した際に、その費用の一部が支給されるものです。

給付の対象となる教育訓練は、そのレベルなどに応じて下記の3種類があり、それぞれ給付率が異なります。

 

①専門実践教育訓練

労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。

対象講座としては、介護福祉士や看護師、保育士などの資格取得を目標とする講座や、専門職大学院などの課程があります。

受講費用の50%(年間上限額40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給され、さらに一定の要件を満たせば、支給率が最大80%(年間上限額64万円)となります。

さらに、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練を受講する場合、一定の要件を満たせば、別途教育訓練支援給付金が支給されます。

 

②特定一般教育訓練

労働者の速やかな再就職および早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象となります。

対象講座としては、介護関連の研修や大型自動車免許などの資格取得を目標とする講座や、ITSSレベル2の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座などがあります。

受講費用の40%(上限額20万円)が訓練終了後に支給され、さらに一定の要件を満たせば、支給率が最大50%(上限額25万円)となります。

 

③一般教育訓練

その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象となります。

対象講座としては、税理士や社会保険労務士、宅地建物取引士などの資格取得を目標とする講座などがあります。

受講費用の20%(上限額10万円)が訓練終了後に支給されます。

 

本制度は、労働者個人のスキルアップを促進することで、会社にとっても良質な人材が育成されるというメリットがありますが、一方で人材流出のリスクもあるでしょう。

会社側と労働者側、双方にとってプラスになる形で、本制度を活用できれば良いのではないかと思います。