「退職金制度」自社積立と生命保険活用のススメ
KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の松田です。
今回は、企業が導入しやすく設計の自由度も高い「退職金制度」のうち「自社積立制度」と、その中で活用されることが多い養老保険等の生命保険商品について解説します。
自社積立型退職金制度とは、企業が独自に制度設計し、規程に基づいて将来の退職金を積み立てていく仕組みです。
「勤続年数に応じた一定額の支給」「退職時の基本給×支給率」「(勤続ポイント+職位ポイント)×金額」など、自由な設計が可能です。
この自社積立型退職金制度には、退職金支払いに備える手段として、養老保険・逓増定期保険などの生命保険を活用するケースが多く見られます。「退職金準備」と「万が一の保障」を両立できる方法であるためです。
養老保険は、一定期間(保険期間)中に被保険者が死亡した場合は「死亡保険金」が、満期まで生存した場合には「満期保険金」が支払われる保険です。
被保険者を従業員(役員も可)、受取人を企業とし、満期時に退職金の原資として活用します。
毎月の保険料支払いで退職金を積み立てることができ、万が一の際には死亡保険金で遺族補償にも対応できます。また、保険料の一部を損金処理できる設定も可能です。
退職金制度は、「人材確保」「企業イメージ向上」「税務戦略」など、経営にとって多くのメリットがあります。特に、自社積立制度と保険商品の組み合わせは、設計次第で非常に効果的な手段となります。
ただし、制度運用には退職金規程の明文化と財源の確保が欠かせません。中小企業でも無理なく導入できる方法がありますので、ぜひご相談ください。