終活のススメ
KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の岸です。
「終活」と聞くと、人生の終わりに近づいた人が取り組むものというイメージが強いかもしれません。しかし、実は終活はすべての世代にとって意味のある行動です。特に若い世代においては、「自分にはまだ早い」と思いがちですが、現代社会における生活の多様性やリスクを考えると、若いうちから終活を意識することが大切です。
突然の病気や事故に備える
現代では、若い世代であっても病気や事故と無縁ではありません。たとえば、交通事故や急病などで突然意思表示ができなくなる可能性もあります。そうした場合、自分の希望が家族や医療関係者に伝わらないと、延命治療の選択や葬儀の方法などについて家族が悩むことになります。
終活の一環として、自分の希望をエンディングノートやリビングウィル(生前の意思表明書)にまとめておけば、万一の事態にも家族が判断しやすくなります。また、身近な人と事前に話し合い、自分の価値観や希望を共有しておくことも重要です。これにより、自分の意思を尊重しつつ、家族の負担を減らすことができます。
デジタル遺品の整理は若い世代こそ重要
若い世代にとって、SNSやオンラインサービスは生活の一部です。メールアカウント、クラウドストレージ、動画配信サービスのサブスクリプション、さらにはゲームアカウントなど、多くのデジタル資産を持っているでしょう。これらの「デジタル遺品」は、放置されると家族や友人に大きな負担をかける可能性があります。
例えば、SNSアカウントがそのまま残ると、見知らぬ人が故人のプロフィールにアクセスできたり、不適切な使い方をされたりするリスクがあります。そのため、終活の一環としてパスワードを整理し、安全に管理することが重要です。パスワード管理アプリやエンディングノートを活用して、自分のデジタル資産をどのように処理してほしいか明記しておくと安心です。
若い世代にとって終活は、「遠い未来のこと」ではなく、「今からできる準備」の一つです。人生は予測不可能だからこそ、早めに取り組むことで安心して毎日を過ごせるようになります。デジタル遺品の整理やエンディングノートの作成など、小さなことから始めてみませんか?自分の人生をより豊かにするための一歩を踏み出しましょう。