心理的負荷による精神障害の労災認定基準の改正について

KOYAMA社会保険労務士法人東京事務所の菊馬です。

近年の社会情勢変化、労災請求件数を鑑み、最新の医学的知見を踏まえて令和5年9月1日付で「心理的負荷による精神障害」の認定基準が改正されました。

特に大きく変わった点でいうと、業務による心理的負荷評価表の見直しに伴い、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」という具体的出来事が追加されたことが大きな変化かと思われます。

また、『悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により 悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める』と改正されたため、労災と認められる範囲が広まりました。

その他、医学意見の収集を効率化し、審査を迅速化することで今まで申請から半年以上必要とされた審査期間についても改善がみられるようです。

色々な基準があるとは思いますが、時代に即して柔軟に対応できるものであってほしいですね。