公益通報者保護制度について

KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の伊東です。

 

公益通報とは、労働者等が事業者による一定の違法行為を、組織内の通報窓口や行政機関、報道機関などに通報することができる制度です。

 

事業者が公益通報をしたことを理由として通報者を解雇した場合、そのような解雇は無効となります。

また、減給や降格、退職金の不支給など、解雇以外の不利益な取り扱いをすることも禁止されています。

さらに、公益通報によって損害を受けたことを理由として、事業者が通報者に対して損害賠償を請求することはできません。

 

公益通報できる内容としては、通報者の「役務提供先」に関するもので、一定の「対象法律」に要件の根拠規定がある「通報対象事実」とされています。

具体的には、通報者の勤務先や派遣先等で、事業者が刑法に抵触するような行為や、行政指導や行政処分の対象となるような行為を行っている場合などが挙げられます。

 

また、公益通報は「不正の目的」であってはなりません。

通報を手段として金品をゆする目的であったり、事業者の信用を失墜させる目的であるような場合は、公益通報とはなりません。

 

最近、某県知事の告発者に対する懲戒処分の問題が話題となっていますが、通報者が本制度の対象となるか否かの検討も含めて、適正な運用がなされることを願います。