最近の世界各地での労働争議トピック(2025年)

KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の岸です。

最近、世界各地で注目される労働争議が発生しています。まず、カナダのエア・カナダの客室乗務員が、地上業務の未払いをめぐり、2025年8月16日からストライキを開始しました。約10,000人が参加し、全フライトが欠航する事態となっています。組合は、特に「地上での業務にも正当な賃金を」と主張しており、政府による仲裁介入も提案されていますが、交渉は難航中です。

また、**アメリカの俳優組合(SAG‑AFTRA)**によるビデオゲーム業界の声優ストライキは、AIによる声の複製などを巡る契約交渉の難航を受け、2024年7月から続いていましたが、2025年6月に合意に達し、一部は7月に正式に契約が批准されました。AI活用の規制や待遇改善などが主な争点でした。

さらに、アメリカ・オレゴン州の看護師によるストライキも注目されます。2025年1月から2月にかけて、プロビデンス・ヘルス&サービスを相手に実施されたもので、看護師らは22%の賃上げや休憩補償の改善、契約の遡及賃金を要求し、最終的に46日間の争議の末、合意に至りました。

これらの事例はいずれも、賃金や労働条件、公正な扱いを巡る争議であり、特にAIや未払業務の補償など、新たな労働テーマが浮き彫りとなっています。