「転職が当たり前とされる時代に感じること」

KOYAMA社会保険労務士法人仙台事務所、松田です

総務省の調査によると、2023年の転職希望者は1007万人で、7年連続で増加し、初めて1000万人を超えました。これは全就業者の6人に1人が転職を希望していることになります。

終身雇用に対する意識が変化し、収入、労働条件、経験などより良い待遇を求める人が年々増えているのでしょう。

人手不足による売り手市場の現在、確かに転職はしやすい時代となっております。

日々、仕事を通じて顧問先の人事労務に携わらせていただいておりますが、特に入社後数年間で転職を決意する方が年々増えていると実感しております。

私見となりますが、転職することでスキルアップやキャリアアップ、あるいは労働条件の向上など、全てがより良い方向にいくとは限らないと思っております。

転職前の職業も、その仕事に関心を持ち、その企業に価値を見出し、自らが選択したものであるはずです。その自らが選択したフィールドで一定の成果を上げることができてこその、次のステップではないでしょうか。

様々な企業が、職場定着のための施策を実施しておりますが、肝要なのは、採用の際に自社の理念・目的・方針、そして求める人物像を明確に伝え、共感をしてもらえる方を採用することです。また、採用された方も入社を決意したのであれば、組織への貢献を通して自らを成長させていくことが筋であり、それがキャリアアップ、キャリア形成へ一番の近道ではないかと、個人的には思っております。