「振替休日」と「代休」の違いについて

皆さん、はじめまして。KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の小山です。
初めてBlogに寄稿しますので、今回は、非常に基本的なことですが、今も多くの会社で、認識されていないなと思うことについて記します。表題の通り、振替休日と代休の違いについてです。

皆さんご承知通り、振替休日と代休の扱いは違います。しかし、これが混同されていたり、同じものとして取り扱う例をよく見ます。厚労省QA記載の通りに言いますと、振替休日は「予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすること」、代休は「休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするもの」となっていて、後者は「前もって休日を振り替えたことにはならないため、休日労働分の割増賃金を支払う必要あり(要旨)」記されています。つまり、振替休日は、予め、休日と労働日をかえること。代休は、突発的に休日出勤した日の代わりに、出勤日だった日を休みにすること。それは、予め、休日と労働日をかえたことにはならないので、休日出勤した日には割増賃金が発生するという意です。

しかし、実際上、本当は代休であっても、振替休日とみなして、割増賃金は支払われないことが散見されます。これにより、結果として、賃金の不払いとなってしまうことにもなりえます。

基本的なことではあるものの、日頃の労務管理で、見落としがちにならないようにしていただければと思います。