農業と労務管理
KOAYAMA社会保険労務士法人仙台事務所の八鍬です。
私の実家は代々農業を営んでおり、数年前に法人化し少数ではありますが従業員の雇入れもしています。私の実家に限らず、生産者の高齢化と次世代の担い手の減少に伴い、経営主体が個人から法人になるケースが増えてきています。法人化のメリットとして、資金調達や人材の確保などがあげられますが、法人化を行う場合は下記の手続きと整備が必要となります。
1.社会保険の強制適用事業所に該当
農業というと個人事業というイメージが強いかもしれませんが、当然法人化を行えば社会保険の強制適用事業所となり加入の義務がございます。
2.従業員の雇入れ時の労働条件の明示
法人化に伴い人を雇入するケースもあるかと思います。職業柄紹介や知り合いを雇用する場合も多いかと思いますが、労使間のトラブルを防ぐためにも、書面にて労働条件の交付する必要があります。
3.安全衛生教育
農業作業において、トラクターなどの農業機械使用や農薬の散布など危険を伴う作業が多くあります。使用者は雇入れ時や作業内容を変更した場合はその業務に関する安全または衛生のための教育を行わなければいけません。
以上の点の他にも常時使用する労働者の人数が10人を超える場合は就業規則の作成が義務づけられています。見落としがちな部分になりますのでこれらを忘れずに行うことが必要です。
農業では労働基準法における「労働時間」、「休憩」、「休日」の規定が適用除外となっています。ですが、優秀な人材を確保し働きやすい環境を整えていくためにも整備するなどの改善に努めることが重要です。農業と社労士は遠い存在ではなく、お力になれる部分も多いと思っていますので是非ご不明点等がございましたらいつでもご連絡ください。