社員モチベーションアップについて
KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の岸です。
ビジネスシーンでの社員モチベーションアップを考える際によく取り上げられているのは、アメリカの心理学者・ハーズバーグ提唱の「二要因理論」です。
二要因理論は、従業員の動機付けに関する理論です。この理論によると、動機付けには2つの異なる要因が関与しています。
1.衛生要因(不満足要因) これらは職場環境や給与、福利厚生などの環境的要因です。これらが不十分な場合は不満が生じますが、十分であっても積極的な動機付けにはつながりません。
2.動機付け要因(満足要因)
仕事の内容自体、達成感、承認、責任、成長機会などが該当します。これらが満たされると作業意欲が高まり、従業員は積極的に動機付けられます。
つまり、衛生要因が不足すると不満が生じますが、それらを十分に整えても能力を最大限に発揮するには至りません。仕事の内容的な面である動機付け要因を満たすことで、従業員の仕事への積極性ややりがいが生まれるのです。企業は両要因に配慮する必要があるとされています。
ハーズバーグの二要因理論は、「フレックスタイム制」や、社員が何種類かの福利厚生施策を自由に組み合わせる「カフェテリア・プラン」など、実際に数々のシステムの誕生に貢献しています。
丁寧に社員のモチベーション管理をするためには、衛生要因における問題を解決したうえで、動機付け要因を満たす必要があるでしょう。