熱中症対策の現状について

KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の伊東です。

 

8月も終わりましたが、まだまだ暑い日が続いております。

ところで、今年の6月1日から改正労働安全衛生規則が施行され、職場における熱中症対策の強化が義務付けられています。

 

具体的には、熱中症の恐れがある従業員を早期に発見し、重篤化を防止するため、下記のような対応を実施することが求められます。

①熱中症の自覚症状がある従業員や、熱中症の恐れがある従業員を見つけた他の従業員が、その旨を報告するための体制整備および周知

②緊急連絡先、緊急搬送先の連絡先および所在地等の周知に加えて、重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成および周知

 

このような対応が必要となるのは、WBGT28度以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて実施が見込まれる作業ですが、適切な措置を講ずることができていない事業者も少なくはないと思います。

富山労働局が7月の全国安全週間の取組みの一環として行った建設現場への集中監督指導の結果によると、立ち入り調査を行った279事業場のうち、18事業場で違反がみられたとのことです。

今回の改正は、公布日から施行日までの期間が短かったため、もともと連絡体制などが整備されていた事業場ではスムーズに実施することができたが、そうでない事業場では対応が間に合っていないような状況ではないでしょうか。

 

昨今の気候変動により、職場における熱中症による労働災害は年々増加傾向にあり、令和6年における休業4日以上の死傷者数は調査開始以来最多の1195人、死亡災害については3年連続で30人以上となっています。

そして、死亡の原因の多くが初期症状の放置や対応の遅れによることが、今回の改正の背景にあります。

熱中症対策を怠れば罰則が適用される可能性もありますし、何よりも従業員の生命を守るために安全配慮義務を遵守する必要があります。

今回の改正の趣旨を正しく理解し、適切に実施していただきたいです。