子育てと介護重なる「ダブルケア」9割が現役世代

KOYAMA社会保険労務士法人仙台事務所、松田です。

子育てと家族の介護が同時に重なる「ダブルケア」に直面する人が、全国に少なくとも29万人おり、その9割が30代~40代の働く世代であるといった記事を目にしました。

高齢社会や晩婚・晩産化を背景に、社会を支える現役世代に対しより重い負担がのしかかっている実態がわかります。

仕事と家庭の両立支援の取組としては、2022年10月に男性の育児休業取得増進を一つの目的とする出生時育児休業制度が創設されるなど、子育てについて取り上げられることが多いように感じます。実際に男性の育児休業取得率も少しずつ増加しております。

一方で、介護休業については、厚生労働省「令和4年(2022年)度雇用均等基本調査」の結果では、2021年4月1日~2022年3月31日の間に、常用労働者のうち介護休業を取得した労働者の割合は0.06%と、まだまだ取得しにくい環境にあるのではないでしょうか。

30代~40代というと、仕事ではベテランとなり一定の業務量や責任を担う方が多い世代であることが考えられ、なかなかまとまった休みを取得させることは難しいかもしれません。

しかし、長期の休業ではなく、短期間(数日)の休業等を進めるなど、取組しやすい内容から実施していただく事はとても有意義であると思います。

介護休業は、要件によって以下の諸制度を活用でき、メリットもあります。

・労働者:休業中の賃金が支払われなくとも、雇用保険の介護休業給付金が受給できる

・事業所:介護支援プランに基づき5日以上の介護休業を取得させると、両立支援助成金を活用できる

 (休業取得時30万円、職場復帰時30万円)

・事業所:介護休業取得実績ありとして、求人票等でPRできる。従業員の職場定着につながる

5日間の介護休業を取得させ、その他の要件を満たせば助成金も活用できるのです。現在介護に直面している労働者がいるという事業所様、是非ご検討ください。