ロボコール
SolveHR株式会社の玉造です。
ある日のことです。「もしもし」と電話に出た瞬間、聞こえてきたのは人の声ではなく、機械的な自動音声でした。「こちらは未納料金のお知らせです」「住居の建築年数を教えてください」「内閣支持率調査にご協力ください」など、最近こうした自動音声の電話が頻繁にかかってくるようになりました。
調べてみると、これは「ロボコール」と呼ばれるもので、コンピューターを使って自動的に発信される電話だそうです。もともとは正当な目的で使われていたようですが、近年では迷惑電話や詐欺電話としての印象が強くなっており、実際にその大半が不審な内容であることも少なくありません。
問題は、これらの電話がすべて詐欺とは限らず、中には本当に重要な内容のものも混じっているということです。そのため、どれが信頼できる電話でどれが危険なのかを判断するのはとても難しくなっています。私も最初のうちは「念のため出て確認してみよう」と思っていたのですが、結局は時間を無駄にすることも多く、精神的にも負担でした。
そこで対策として取り入れたのが、スマートフォンに入れられる迷惑電話対策アプリです。こうしたアプリを使えば、登録していない番号からの着信でも、詐欺や迷惑電話の可能性がある場合に警告を表示してくれたり、自動でブロックしてくれたりします。使い始めてからは、知らない番号からの電話にもある程度の安心感を持てるようになりました。それでもやはり、根本的な解決にはならないと感じています。私の周囲でも、「知らない番号からの電話には出ない」「050や国際電話、フリーダイヤルは無視する」といった自己防衛の習慣を徹底している人が増えています。
このような状況を見ると、電話という連絡手段そのものの信頼が失われつつあるのではないかと考えさせられます。ロボコールがさらに広がっていけば、本当に必要な連絡手段としての電話が使われなくなる日が来るかもしれません。技術の進歩とともに生まれた利便性が、逆に私たちの生活の不安材料になってしまわないよう、社会全体での対策が求められていると感じます。