ミスはどこまで責任?過失・重過失・故意の違いと会社のリスク管理

KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の菊馬です。

日々の仕事では、どうしてもミスやトラブルは起こってしまうもの。そんなとき、会社として知っておきたいのが、ミスの内容によって従業員の責任の重さが変わる、ということです。ポイントになるのが「過失」「重過失」「故意」の違いです。

まず「過失」。これは単純な注意不足によるミスです。例えば、社用車をぶつけてしまったとか、備品をうっかり壊してしまったケース。こうした場合、会社にも管理責任があるので過失割合はだいたい会社6〜7割、従業員3〜4割が目安になります。

次に「重過失」。これは、普通のミスよりもかなり注意が足りなかったとき。例えば、社用車の運転ルールを無視したり、何度も注意されていたのに備品を乱暴に扱って壊したり。こうなると責任の比重はぐっと重くなり、会社2〜4割、従業員6〜8割くらいになることが多いです。

そして「故意」。これはもう、うっかりじゃなくてわざとやったケースです。例えば、嫌がらせで会社のパソコンを壊したり。こうなると基本は従業員が100%負担。会社の責任はほぼ問われません。

とはいえ、これらの割合はあくまで一般的な目安。実際には、そのときの状況や会社のルール整備の有無、従業員の役割なんかによって変わることも。会社側に管理ミスがあったと判断されれば、もっと負担割合が変わる可能性もあります。

だからこそ、ミスが起きてから慌てるのではなく、普段からルールづくりや教育をしっかりしておくことが大事。トラブルをゼロにはできなくても、リスクを減らす努力はしていきたいですね。