多様な正社員制度について

KOYAMA社会保険労務士法人仙台事務所、松田です。

令和7年3月、厚生労働省「多様な正社員導入マニュアル」が掲載されました。
「多様な正社員」とは、従来型のいわゆる正社員と比べ、職務内容、勤務地、労働時間などを限定して選択できる正社員を言います。

近年では、育児・介護等の生活上の都合、あるいは将来のキャリアのために学習の機会を持ちたい等の理由から、働き方を自分で選択したい、柔軟な働き方をとりたいという希望が強くなっている傾向にあります。

40歳台後半である私自身の周りを見ても、子どもの部活動等の学校活動の地域への移行、町内会等の地域活動への参加要請、さらには家族の介護など、「体がいくつあっても足りない」という声をたびたび耳にします。

しかし、一方では、慢性的な人手不足により、1人当たりの仕事の生産性向上も意識しなければならない時代となっており、私見ではありますが、多様な働き方制度を導入することによる労働力、労働時間の減少に多少なりともリスクを感じてしまいます。

ですが、視点を変えて考えると、多様な正社員制度導入は、既存の従業員の職場定着や働きやすさ向上の一面だけではなく、自社に不足している人材や、労働力を確保できるといった一面もあることに気が付きました。

「専門性を必要とする業務の人材確保」「一般的業務のみを行う人材の確保」「特定の業務のみを行う人材の確保」「特定の時間帯の人材確保」などが考えられますね。

単に労働力の確保ということだけではなく、自社の発展に必要な人材や、これまで採用することが難しかった人材の確保につながるのであれば、多分に検討の余地があるのではないでしょうか。