勤務日数が少ないパートタイマーへの通勤手当、定期代は支給すべき?

パートタイマーやアルバイトなど短時間勤務者に対して、通勤手当をどのように支給すべきか迷われたことはありませんか?特に「週に数日しか働かないパートさんにも定期代を出す必要があるのか?」という疑問は、実務上よくある論点です。

◇通勤手当の法的位置づけ

通勤手当は法律上、必ず支給しなければならない「義務」ではありません。つまり、就業規則や雇用契約で定めがなければ支給する義務はありません。しかし、多くの企業では、福利厚生や人材確保の観点から支給しているのが現状です。
また、通勤手当を支給する場合には、労働条件通知書や就業規則に支給基準を明記しておくことが重要です。特に、支給対象者や金額、支給方法(実費精算 or 定期代)を明確にしておくとトラブル防止につながります。

◇勤務日数が少ないパートに「定期代」を出す必要はあるのか?

勤務日数が週2〜3日など少ないパートタイマーに対して「1ヶ月分の定期代」を満額支給することは必ずしも合理的ではありません。
対応方法としては以下が挙げられます。

①実費支給方式
・実際に出勤した日数分の交通費を支給
・交通機関の運賃表に基づいて支給
・出勤日報やタイムカードに基づいて支給額を計算する
②定期代の按分支給
・定期代(月額)を勤務日数に応じて案分して支給
たとえば「週2日勤務→月8日出勤」であれば、定期代の約1/4を支給
③定期代の不支給(自費通勤)
・あらかじめ「週3日未満の勤務者には通勤手当を支給しない」旨を就業規則に記載
条件の平等性を確保するため、すべての短時間勤務者に同様に適用する必要があります。

明確な基準がないことで従業員によってバラバラな取り扱いをすると、不公平感や労使トラブルのもとになります。
もしお困りごとがありましたら、KOYAMA社会保険労務士法人までご相談ください。