労使協定を適切に締結・運用できていますか?

KOYAMA社会保険労務士法人仙台事務所の八鍬です。

タイトルにもある通り、労使協定を適切に締結・運用がなされていないと労働基準法違反となる可能性があります。今回福岡のある事業所でこの様な労働基準法違反の事例が発生しました。

当該事業所では36協定で時間外労働の延長時間を月72時間として締結し、所轄労働基準官署に届出をしていた。しかし、同社で発生した労働災害の労災保険給付の請求受け労働時間数を調査すると、当該従業員は時間外労働は月79時間と届出の月72時間を超え、協定締結時の労働者代表の選任も適切ではなかったことが判明した。このことから36協定は無効であり、労働基準法第32条の労働時間違反の疑いで書類送検された。仮に36協定が有効だったとしても延長時間の上限を超えており、違法であるとしている。

以上の事例では、

・36協定の締結時に労働者代表の選任方法が適切ではなかった

・36協定で締結した上限時間を超えて時間外労働を行わせた

この2点が問題となっております。毎年36協定などの労使協定の更新の時期になると、労使協定の中身や従業員代表など変更しないままという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

労働者の過半数を代表する者は、

・正社員、パート・アルバイトを含めた全ての労働者を代表している

・使用者の指名ではなく、労働者の中から民主的に投票、挙手などで決められている

・管理監督者ではない

以上のことが求められます。今一度選出方法に問題はないか確認していただくことをおすすめします。また、労使協定で定めた時間外労働の上限を超える働き方になっていないでしょうか。不安や疑問点があれば是非当法人までご相談ください。