会社員の副業 社会保険を確認
KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の岸です。
本業が会社員の人で本業とは別の企業で副業をする場合、労働時間や給与の額、企業規模などが一定の条件に達していなければ、健康保険と厚生年金は本業の勤務先のみで加入します。本人が負担する社会保険料も変わりません。
しかし、一定の条件に達していて副業をする人が社会保険料の支払いをする場合に気をつけなければならないポイントはいくつかあります。特に、複数の雇用主から収入を得る場合、社会保険料の計算や支払いの仕組みが変わる可能性があります。
・副業先での労働条件次第では、主な勤務先だけでなく副業先でも社会保険に加入する可能性がある。
・社会保険料の二重払いが発生することもあるが、最終的には調整される。
・副業によって扶養から外れるリスクがあり、社会保険料の自己負担が発生する。
・確定申告や年末調整で正確に収入や支払いを報告し、過不足を調整することが重要。
雇用保険は65歳未満なら原則として1社で加入する仕組みで、副業先で加入はできません。65歳以上は2022年1月から「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が始まり、複数の事業所で働き、一定の要件を満たせば2つの事業所で雇用保険に加入できるようになりました。
労災保険は労働者を雇用する全ての企業に加入義務があり、副業先でも必ず加入します。保険料は全額企業負担のため、本人負担は生じません。仕事や通勤中のケガなどで働けなくなった場合の労災による休業時の給付額は、2020年からすべての勤務先の収入を合算した額を基に算定するようになりました。
副業をする際には、各種手続きや保険料の調整に関して事前にしっかりと把握しておくことが大切です。