住民税と定額減税について

KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の伊東です。

 

5月も半ばを過ぎ、皆様のお手元に住民税決定通知書が届く時期になってまいりました。

給与所得者の場合、通常の年であれば、前年の収入実績に基づいて年税額を算出し、さらにその額を12ヶ月で割った額を、6月から翌年5月までの12ヶ月間で天引きしていく形になります。

 

しかしながら、2024年については、急激な物価高騰による家計負担の軽減策として政府が実施を決定した「定額減税」の影響を受けるため、従来と異なる計算方法となります。

 

まず、6月分の住民税については徴収されません。

その上で、「本来の住民税の年額」から「定額減税分」を差し引いた額を残りの11ヶ月で割り、7月から翌年5月までの11ヶ月で天引きしていく形になります。

住民税の減税額は1人あたり1万円で、扶養家族がいればその人数×1万円がさらに減税されます。

 

例えば、扶養家族が2人いる従業員の場合、この方が本来納付すべき住民税の年額が63,000円だとすると、63,000円-10,000円×3人=33,000円となります。

そして、この額を7月から翌年5月までの11ヶ月で割った3,000円が、7月以降に納付すべき住民税の額となります。

 

今回の定額減税については、手取りが増えることで国民が減税の効果を実感することができる一方、住民税額を通知する自治体や、企業の給与計算事務担当者などに大きな負担がかかるのではないかと賛否両論あると思いますが、まずは定額減税について正確に理解し、正しい事務処理ができるように気を付けていきたいと思います。