フリーランス法違反に対する行政指導事例について
KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の伊東です。
厚生労働省は、フリーランス法の施行から1年を迎えるにあたって、都道府県労働局による行政指導の事例などを公表しました。
同法は昨年11月1日に施行され、フリーランスに業務を発注する事業者に対して、ハラスメント対策の体制整備や募集情報の的確表示等を義務付けています。
具体的には、募集情報の的確表示義務に関しては、クラウドソーシングのプラットフォームに募集情報を掲載する際、業務に従事する場所と報酬を示していなかったケースがありました。
また、自社のホームページに募集情報を掲載した会社が、親会社の名前を強調して表示することで誤解を生じさせているとして指導されたケースもありました。
同法は、募集時に、①募集者の氏名および名称、②所在地、③連絡先、④業務内容、⑤業務に従事する場所、⑥報酬の6項目の記載を義務付けています。
これら6項目のうち1つでも記載がない場合や、労働者の募集と混同するような表示は法違反となります。
一方で、ハラスメント対策の体制整備義務に関しては、ハラスメント防止規程を策定し相談窓口を設置していたものの、フリーランスを対象としていなかった事業者に対して指導を行ったケースがありました。
また、相談を理由とする不利益取扱いの禁止を定めておらず、法違反と判断されたケースもありました。
フリーランスという働き方への関心が高まりつつあると同時に、それに対する企業のニーズも増えていると思います。
両者ともに法令遵守を意識しつつ、お互いのニーズを満たすような関係性を構築することが重要なのではないでしょうか。
