構造的人材不足にどう対処してゆくのか

KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の小山です。

 

お客様との話のなかで、よくお聞きすることの一つが、「人材に関するお悩み」のことがあります。そのお悩みの中でも「不足している人材の採用」のことはいつもお聞きします。そういうときには、公的機関や民間媒体を通じた人材募集のことや、助成金活用、また、業種によっては外国人材採用についても提案することがあります。しかしながら、こうした提案も、「今」の人材不足に対する対処療法的な範疇を超えていないかと感じ入る昨今ではあります。

 

人材不足の問題は、多くの企業、特に中小企業が、ここ数年にわたって直面してきた課題の一つではありますが、もはや企業サイドだけの課題ではなく、社会全体の構造的な問題に起因しています。そのため、私たち社会保険労務士も、対処療法的な範疇を超えて、構造的な問題への対処も視野に入れて、ご提案する必要があるように思えます。少し大袈裟に思えるかもしれませんが、人材不足に起因する根本的な原因を捉えたうえで、その対処の一つとして、私たちが行う今の提案につながっていることを考える必要があると思えるからです。

 

具体的には、長期にわたる所得の低迷といった問題がありますが、一企業として、賃金アップを図るためのビジネスモデルの転換や、AI活用なども提案のバックグラウンドに含めるとか、少子高齢化への政府施策として、女性の職場復帰や男性の育休支援などがありますが、募集の際に、そうした施策に積極的な会社であることをアピールポイントとする、そのための助成金活用などが挙げられると思います。

 

いずれにしましても、構造的な人材不足への政府施策も、私たちの提案も、道半ばといった状態は暫くは続くことでしょう。