cookie(クッキー)とは
SolveHR株式会社の玉造です。
近年、多くのウェブサイトで「cookieを許可しますか」といった通知を目にするようになりました。しかしながら、「cookieとは何か?」と聞かれると、明確に答えられる方はそれほど多くないかもしれません。cookieは、インターネット上でユーザー体験を快適にするための重要な技術ですが、同時にプライバシーにも関わる側面を持っています。
まず、cookieを理解するには、実店舗でのポイントカードの仕組みを思い浮かべると分かりやすいとおもいます。たとえば、あるカフェを初めて訪れた際にポイントカードを作成したとします。その後、再度来店すると、店側はそのカードを通じて「前回ご来店いただいたお客様であること」や「これまでの購入履歴」などを把握することができます。そして、それに応じたサービスや割引、クーポンなどを提供することが可能となります。
同様に、ウェブサイトにおけるcookieも、訪問者のブラウザに情報を一時的に保存し、次回以降の訪問時にその情報をもとにユーザーの利便性を高める仕組みです。たとえば、ログイン状態が保持されたり、前回閲覧した商品やページが表示されたりするのは、cookieのおかげです。つまり、cookieはウェブ上での「ポイントカードのようなもの」と考えるとイメージしやすいかと思います。
しかしながら、すべてのcookieが同じ目的で使われているわけではありません。cookieには大きく分けて「ファーストパーティーcookie」と「サードパーティーcookie」の2種類があります。前者は、ユーザーが直接訪れているウェブサイト自身が発行するもので、主に利便性向上やユーザー体験の改善を目的としています。実店舗のポイントカードにたとえるならば、そのお店が発行するカードに該当します。
一方で、サードパーティーcookieは、そのウェブサイトとは別の第三者、たとえば広告配信会社やトラッキングサービスなどが発行するcookieです。ユーザーが複数のサイトを横断して閲覧している行動を追跡し、それに基づいて広告の表示やマーケティング施策に利用されます。Aという通販サイトで見た商品が、Bというまったく別のニュースサイトで広告として出てきたという経験をされた方も多いかと思います。
このようなサードパーティーcookieの利用については、プライバシー保護の観点から近年大きな問題となっており、各国で規制強化が進んでいます。AppleのSafariやMozillaのFirefoxではすでにサードパーティーcookieを原則としてブロックする仕様となっており、GoogleのChromeでも2025年中に段階的な廃止が予定されています。
cookieの仕組みを正しく理解することは、インターネットを安全かつ快適に利用するうえで非常に重要です。「このサイトはcookieを使用しています」と表示された際には、ただ何となく同意するのではなく、「これはどのような目的で使われているのか」「どの種類のcookieなのか」といった視点を持つことが、今後ますます求められるようになると思います。