副業・兼業の現状調査

KOYAMA社会保険労務士法人 仙台事務所の佐藤由望です。

 

厚生労働省は平成30年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業の環境整備を進めてきました。この取り組みを受けて、副業を行う労働者の割合や形態、業種、副業理由などを把握するための調査が実施されました。

 

調査は厚生労働省労働基準局労働条件政策課の要請で行われ、インターネットを利用したWeb調査の方法が採用されました。

調査対象は全国の登録モニターのうち、無職を除く18歳から64歳の男女約159万人で、令和4年10月3日から13日までの期間に実施されました。有効回答数は約18万9千人で、有効回答率は11.8%でした。

 

主な調査結果として、仕事をしている人のうち副業をしている人の割合は6.0%で、男性(5.1%)よりも女性(7.4%)が高いことがわかりました。副業をする理由では「収入を増やしたい」が54.5%で最も多く、次いで「1つの仕事だけでは生活できない」が38.2%でした。副業の理由は本業の就業形態によって異なり、非正社員や非雇用者は「生活自体ができないから」の割合が高いことが特徴です。

 

また、新型コロナウイルスの影響を受けて副業を始めた人の割合は34.7%で、特に宿泊業や飲食サービス業で高い割合を占めました。この調査結果は、今後の副業に関する政策検討の基礎資料として、厚生労働省の関連会議で活用されました。

 

副業が一般的になりつつある現在、その理由や形態を理解することは、労働者の多様な働き方を支援するために重要です。この調査結果は、副業を促進するためのさらなる政策立案に役立つでしょう。