人事評価制度の導入と運用のメリット

KOYAMA社会保険労務士法人 東京事務所の小山です。

当法人東京事務所でも、人事評価制度の導入と運用に係るお取組みをしています。

日本での人事評価制度の変遷としては、1950年代より年功制による評価の原型ができたと聞き及んでいます。当時は高度成長時代を背景として、「平等」と「必要」を基盤に、公平に年齢に応じて給与を上げていく仕組みでした。いわゆる「年功序列型」の制度です。その後、1970年代頃から「職能資格制度」が取り入れられました。しかし、人の能力を客観的に測ることがそもそも難しく、職務の経験年数に伴って職能資格が付与される制度として維持されていきます。そして、1990年代から「成果主義」を基軸とする人事評価制度が導入されていきます。所謂「目標管理制度」になりますが、この本来の意図は、社員個々の目標達成につながる行動を促し、その能力を発揮してもらうためのマネジメント手法でした。しかし、「目標の達成度を評価する」という部分だけが一人歩きしてしまい、有能な社員ほど他社へ転職するような事象が増えた結果、多くの企業は成果や業績だけではなく、職務遂行能力や態度、行動なども加えた二段構えの評価が定着し、現在に至っているものと私は考えています。また近年では、政府主導の「同一労働同一賃金」の方針をバックグラウンドに「ジョブ型」の評価制度が脚光を得ていますが、これは欧米型の仕事と賃金の考え方がベースになっていますので、日本では、まだ発展途上の制度と言えるでしょう。

変遷の前置きが長くなりましたが、私見としては、人事評価制度の手法は、時代により、また、その会社の事情によって様々であり、手法だけを重要視する必要はないと考えます。大切なことは、構築したその人事評価制度を、いかに「運用」ベースで実効性のある制度に仕上げていくかが、最も重要ではないでしょうか。言わば、制度という箱物に「魂」を吹き込むような作業と言えます。

運用の具体例としては、社内への理解浸透のための様々な施策だったり、評価者研修の実施等々多岐にわたりますが、いずれにしても、適正且つ公平な評価がなされることで、社員のモチベーションとパフォーマンスを高め、会社組織の目標達成に連なる運用施策で無ければなりません。

そうした運用に携わる経営トップや、人事担当者の皆さんのご苦労は、並みならぬものと言えるでしょう。

また、人事評価制度の構築や運用を、私どもような外部へ委託するケースも実際多いわけですが、あくまで主体となって構築・運用していくのは、会社であって外部の委託者ではないということも忘れてはいけないことだと思います。私たちはあくまで外側からサポートする立場であって、その会社の内部にいることはできません。つまり主役はあくまで、会社内部のトップや社員であって、サポートする側は主体者にはなれないですし、それを超えてしまえば運用は失敗してしまうでしょう。外からの受け売りでは評価制度は機能しないのです。そこに歯がゆい想いを感じる昨今であります。