平成28年8月2日に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」において、雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長等を含めた両立支援策について議論するとされたことを踏まえ、昨年9月から、労働政策審議会の雇用均等分科会で検討を重ね、昨年末、同審議会から建議が行われました。

■経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援の建議概要
1.建議の背景
約8割の市区町村において待機児童がゼロであるものの、都市部を中心に待機児童が多く見られることが背景となっており、国として、育児休業を取得した労働者が安心して職場復帰できるよう、保育所等の整備を一層進めることが必要。4月に限らず育児休業から復帰を希望する時期に子どもを預けられる環境の整備及び保育の質の確保があわせて望まれる。

安倍政権の最重要課題の一つが「女性が輝く社会」の実現であり、女性活躍推進法が施行されている中で、多くの企業が女性活躍に向けて取り組んでいること。女性労働者も、できるだけ早く職場復帰して様々な両立支援制度を上手く使いながらキャリアを積むようになり、企業の側もそれを支援している。

2.必要な措置の具体的内容
(1)雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長について
現行育児・介護休業法では育児休業は原則1歳まで、保育所に入れない等の場合は1歳6ヶ月まで認められている。1歳6ヶ月に達する後の延長についても、現行規定を踏まえ、「雇用の継続に特に必要と認められる場合」、すなわち「保育所に入れない等の場合」(育児・介護休業法施行規則第6条参照)に限定すべきである。また、1歳6ヶ月に達した後の更なる延長については、緊急的なセーフティネットとしての措置であることが明確になるようにすべきである。

今回は、希望する時期より入所が遅れた場合の待機期間のデータ等を参考に、延長の期間としては、最長2歳までと考えられる。

地方自治体は、国と連携して、保育ニーズに応じて保育所等の整備を進めつつ、その状況の的確な把握に努めるとともに、保育コンシェルジュの配置を進め、保育の利用を希望する労働者のニーズに応じたきめ細かな保育の選択肢を提供すべきである。

(2)能力・モチベーション維持のための対策
労働者自身のキャリアを考えると早い職場復帰が望ましい。このため、国は、産前産後休業・育児休業に入る前の労働者に直接両立支援についての情報提供を積極的に行うべきである。本来育児休業期間中は育児に専念する期間ではあるが、労働者は会社を離れていることの不安や焦りもあると考えられるので、企業では、従業員のニーズに応じて様々な手法で労働者のモチベーション維持や復帰のための仕組みを工夫しているところもある。

国は、特に、(ア)有期契約労働者等のいわゆる非正規雇用労働者や中小企業で働く労働者及び(イ)やむを得ず育児休業期間を延長することになり焦りや不安を感じることが多いであろう労働者を念頭に置いて、本人のニーズに応じて育児休業中や復帰時に活用できる能力開発プログラムの開発や調査研究を行うべきである。また、国は、既存の制度の活用など必要な情報を発信すべきである。

(3)男性の育児休業取得を促進する方策
男性の育児休業取得率が低い現状を踏まえ、育児休業にかかわらず男性が休んで育児をすることを促進していくことが必要である。

企業において、就学前までの子供を有する労働者が育児にも使える休暇を設け、労働者、特に男性労働者による育児を促していくことが考えられる。労働者が育児休業を取得しやすいように、事業主は労働者又はその配偶者が妊娠又は出産したことを言い出しやすい雰囲気作りに努め、対象者には企業が周知することが望ましい。

また、パパママ育休プラスの利用率が非常に低い現状を踏まえ、国は、パパママ育休プラスの周知について徹底すべきである。その上で更に使いにくいという状況であれば、その要因を分析し対策を考えるべきである。

(4)効果検証
今回講じた策の効果については、施行2年後を目途に調査した上で分析し、女性活躍の進捗との関係や男性の育児に関わる制度の利用状況等も検証し、必要に応じて見直すことが望ましい。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000145578.html